徳島新聞 女性クラブ

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お知らせ

2018年11月1日木曜日

7/7開催 中村玉緒トークショー 開催レポート

 徳島市のアスティとくしまで開かれた女性向け会員制クラブ「徳島新聞女性クラブ」のトークイベントで、女優の中村玉緒さん(79)が「女優として、妻として、女として」と題して講演した。夫の故勝新太郞さんとの思い出を振り返りながら夫婦愛や人との出会いの大切さを語った。 (尾野益大)
 
夫婦愛や出会いの
大切さを語る中村玉緒さん
=アスティとくしま

人との出会い大切



 父は歌舞伎俳優で人間国宝の二代目中村鴈治郎。父の影響もあり、子役で舞台に出るようになり、女優を目指した。松竹を経て大映に入った。
 勝との結婚は映画での共演がきっかけ。子どもが2人生まれた後、勝が映画製作会社を設立すると、平和だった生活が一変。勝は映画の質にこだわるあまり、製作費を湯水のように使った。そのため会社は倒産。多額の借金を抱えた。
 あほうな男と思ったけど憎めなかった。映画に打ち込んで失敗しただけで、私を裏切ったわけではない。十数億円の借金を返すため、2人でディナーショーを開いた。私は女優として復帰し、ホテルのクラブで踊ったり歌ったりした。
 勝は、私が母親から譲り受けた指輪だけは売らなかった。勝はそういう人。指輪は今でも大事にしている。
 クラブで働いていた時期に恩人と出会い、助けられた。テレビのバラエティー番組やテレビCMに出演するようになり、着物のデザインを任せられた。どれも成功した。
 お笑いタレントの明石家さんまさんのテレビ番組に出演させてもらった。
 さんまさんから最初にオファーがあったとき、おしとやかな性格で通すつもりだったが、乗せられて素顔を見せてしまった。その後ずっと天然キャラが受けることになった。さんまさんにも感謝している。
 人生って何があるか、分からない。お金には恵まれなかったが、人との出会いには恵まれた。お金は稼ぐことができるが、人との出会いはお金では買えない。
 生活がうまい具合に回り始めて間もなく、勝の体にがんが見つかった。心に衝撃が走ったが、運命だと受けとめた。
 勝と歩んだ壮絶な人生を振り返ると、純粋で不器用な夫婦だったと思う。しかし、素晴らしい結婚生活だった。夫婦で出演した最後の舞台やインタビューの映像がある。それを見て思った。「勝新太郎の妻でよかった」と。
 勝は心のきれいな人。仕事と夢を何よりも大切にした。私はそれをどこまでも信じて疑わず、守り抜いた。勝を外国の映画に出演させてあげられなかったことだけが残念でならない。
 人生は、くよくよせず生きることが大切。「今日の出来事は、今日限りで忘れる」。私は毎晩、頭の中を真っ白にして寝るようにしている。皆さんも、人との出会いを大切にして、悔いを残さず、くよくよせずに生きてください。