徳島新聞 女性クラブ

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お知らせ

2019年6月13日木曜日

5/18(土)中尾彬・池波志乃夫妻 トークショー開催報告

 18日に徳島市のアスティとくしまで開かれた女性向け会員制クラブ「徳島新聞女性クラブ」のトークショー。俳優の中尾彬さん(76)池波志乃さん(64)夫妻が徳島の印象や夫婦円満のこつ、夫婦で取り組む終活を、軽妙な語り口で披露した。要旨は次の通り。
 
終活についてユーモアを交えて語る
中尾彬さん(左)と池波志乃さん
=徳島市のアスティとくしま
(家段良匡撮影)

コミュニケーション大切




 ―徳島の印象は。
 池波 プライベートで徳島はよく来るんです。訪れると必ず新しい発見があって楽しみ。おいしい食べ物がたくさんありますね。スダチが大好きで、竹ちくわもおいしい。藍染は夫婦でお気に入りです。
 中尾 鳴門線に乗って鳴門の旅を満喫した。乗り継ぎで立ち寄った池谷駅では2人だけで半時間以上も列車を待った。駅舎にツバメが巣を作っていて無人駅ののどかな雰囲気に癒やされた。三好市山城町の大歩危峡では雄大な渓谷美に圧倒された。澄んだ清流と飾り付けられた無数のこいのぼりの泳ぐ姿が印象に残る。食事は阿波牛がとてもおいしくて感激した。
 ―終活について。
 中尾 10年前に大病を患ったのがきっかけ。体力のあるうちに、余分な物が多いので少しずつ片付けようと思った。不動産や家財からまず処分していこうと始めた。1万枚くらいの写真は処分した。写真は自分の心の中にあればいいと思う。若い時はどうしても手を広げすぎる。特に男は収集癖がある人が多い。遺言状みたいに少しずつ書き出して整理している。処分を迷ったら1カ月置いて使わないと捨てる。ねじねじのストールも400本あったのを半分の200本に減らした。
 池波 私たちは子どもはいないし、いろいろと残して遺産整理で負担を掛けたくない。終活はまだ早いんじゃないのと言われたが、やってみたら体力がいる。昔と違って今は家を残したら負の遺産になるんです。何とかしないといけない。楽しく生きるために無駄な物を整理しています。もう一度、新婚生活のつもりで最後のやり直しです。
 ―夫婦円満のこつは。
 池波 相手のことには口を出さないのがいい。せっかく2人しかいないのにけんかするのは嫌。衝突を回避しているだけ。相手の機嫌を考えて話すタイミングを計るんです。私は細かい性格でよく悩む。一方で主人は決断力がある。いい組み合わせなんです。
 中尾 夫婦で全国を旅行している。プライベートで外食にもよく出掛ける。食事の際には会話を楽しむ。とにかくコミュニケーションが大切だ。
 ―食事などの健康法は。
 中尾 病気をしてからたばこをやめたし、野菜を食べるようになった。食生活はよくなったと思う。塩分は1日6グラム以下。それで体重は随分減らした。
 池波 健康のための食事制限は楽しみながらじゃないと続かない。たまに息抜きを作るのが大事です。運動は家事など日常生活の中で工夫してやっています。仕事を続けることがリハビリなんです。 (奥村靖之)

2019年3月11日月曜日

12/8開催 田中眞紀子講演会 開催レポート

 徳島市のアスティとくしまで開かれた女性向け会員制クラブ「徳島新聞女性クラブ」の講演会で、元外相の田中眞紀子さん(74)が「時代の曲がり角に立って」と題して話した。田中さんは今日の政治に苦言を呈し、国民はもっと声を上げるべきだと訴えた。要旨は次の通り。
 
徳島新聞女性クラブで
講演する田中眞紀子さん
=アスティとくしま

「政治に声を」訴え



(徳島出身の)後藤田正晴元官房長官は、私と父の田中角栄はそっくりだが、唯一の違いは父が雪深い越後の出身で思いやりがあるのに対し、私は苦労知らずだと言っていた。
 そんな後藤田氏だが、私を旧科学技術庁の長官に推してくれたらしい。当時の私は当選して10カ月の1年生議員だった。
 議員を辞めた今も最大の関心事は政治だ。私たちの人生を良くするのも悪くするのも、政治だと信じているからだ。
 米国のトランプ大統領、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席を見ていると、一触即発の状態だ。3度目の世界大戦が起こらないとはいえない。しかし、外交で戦争は防ぐことができる。
 戦争の犠牲になるのは弱い立場の人だ。私は高校時代に米国へ留学した。当時の米国には徴兵制があった。しかし、廃止された後は、経済的に貧しい層が軍隊を志願している。弱い立場の人が戦場に送られ、命を落とすことがあってはならない。
 今の自民党は、安倍首相のやりたい放題といえる。外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法を国会で十分に議論することなく、数の力で押し切って成立させた。
 また首相は国民の税金を使って外遊ばかりしている。自民党議員は公認されないことを恐れてモノを言わない。これでは政治家でなく「お世辞家」だ。長期政権の弊害が顕著に出ている。
 野党も離合集散を繰り返しているだけでだらしない。政権交代が起こるように、有権者がしっかりした投票行動をする必要がある。
 日本国民はもっと怒らなくてはいけない。フランスでは燃料税引き上げ案に反発した市民が大規模な抗議デモを行い、マクロン政権は方針転換せざるを得なくなった。韓国でもしばしばデモがある。しかし、日本人は怒らない。納税者なのだからもっと怒るべきだ。
 消費税の10%への引き上げが近づいている。日用品や食料品は消費税をゼロにし、高級品やぜいたく品に20%の課税をしてはどうだろうか。また、外食とテークアウトの線引きなど複雑極まりない。もっと簡単な税制にすべきだ。
 首相は改憲を急いでいる。性急に決める必要はない。この問題は「決められない政治」で良い。
 安全保障問題では、自分の安全は確保したいけれど、地元に米軍基地はいらないというエゴイスティックな考えが目につく。この難問を解決するのが政治だが、政治家は議論せず逃げている。
 米軍基地や原発を受け入れた地域では電気料金を無料にすれば良い。すると、東京や大阪の大企業や工場がこぞって地方に引っ越すだろう。大都市は地価が下落し、交通渋滞もなくなる。過疎と過密の問題が一挙に解決され、日本列島が改造できる。 (岩村純志)

2018年11月1日木曜日

10/8開催 池上彰講演会 開催レポート

 徳島市のアスティとくしまで開かれた女性向け会員制クラブ「徳島新聞女性クラブ」の講演会で、ジャーナリストの池上彰さん(68)が「ニュースから読み解く日本の未来〜明るい未来を実現するために」と題して語った。トランプ米大統領の動向をやさしく解説しながら、物事に関心を持ち、学び続けることの大切さを強調した。要旨は次の通り。
 
徳島新聞女性クラブで
講演する池上彰さん
=アスティとくしま

いつまでも向学心を



 日本や世界経済に大きな影響を与えているのがトランプ大統領。今何をしているかというと、2年半先にある大統領選挙の選挙運動をしている。大統領の任期は1期が4年で、連続2期まで。2期目を逃すと大統領失格との烙印(らくいん)を押されるので、負けず嫌いのトランプさんは何としても再選したいと考えている。しかし11月の中間選挙では与党の共和党が不利といわれており、危機感を強めている。
 大統領選ではいつも共和党が勝つ州と民主党が勝つ州がある。そこを取るだけではいずれの党も過半数に届かない。選挙のたびに共和党が勝ったり民主党が勝ったりする州が六つあり、スイング・ステート(揺れる州)と呼ばれている。
 この6州で支持を集めようというのがトランプさんの戦略だ。ミシガン州、オハイオ州などは鉄鋼や自動車産業が衰退し、ラストベルト(さびついた地帯)といわれる。
 そこで輸入鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税をかけた。結果、国内工場が操業を再開し、雇用が生まれた。また、日本車やドイツ車に高い関税をかけるぞと脅したり、地球温暖化を防止するパリ協定から離脱するぞと言い出したりしている。アメリカのニュースは、トランプさんの支持率が全体で30%台と伝えている。しかし、この6州で勝ちさえすればよく、あらゆる手を使っている。
 トランプさんがよく言う「アメリカ・ファースト」の背景には、グローバリズムの中で自国の産業が衰退したことへの危機意識がある。それは何もアメリカに限ったことではない。その典型がイギリス。来年3月末にEUから離脱するので混乱が起きている。EUは国境をなくし、人の動きが自由になれば戦争がなくなるとの理想の下に始まった。ところが東ヨーロッパから教育水準が高く、非常に賃金の安い労働者が大量に入り、イギリス国内で反発が強まった。
 ブラジルでは「ブラジルのトランプ」と呼ばれる候補者が大統領になりそうだし、フィリピンにも「フィリピンのトランプ」といわれるドゥテルテ大統領がいる。
 トルコではエルドアン大統領が絶対的な権力を持とうとしている。政治指導者が自国を優先するのは当たり前だが、「自国をよくするためには他国とも仲良くしなければ」と皆がしっかり考えなければならない。
 国際情勢を見る時に役立つのが新聞で、私は13紙購読している。日本で学校の授業に取り入れたところ、国語力が伸びたという調査結果もある。お子さんやお孫さんの学力向上の一つの材料としてお薦めしたい。
 AI(人工知能)がどんどん普及し、将来いろんな仕事が奪われるといわれる。でもAIは読解力が弱いそうだ。すぐに答えを出せるが、問いをつくるのは人間だけ。答えを簡単に探すのではなく、何が問題なのか、よい問いをつくる力がこれからは必要になる。
 私の父は88歳を過ぎて寝たきりになったが、広辞苑を1ページずつ読み始めるようになった。その向学心には驚いた。人は幾つになっても勉強できる。好奇心や向学心を持っていれば、いつまでも若さを保つことができる。 (廣井和也)

7/7開催 中村玉緒トークショー 開催レポート

 徳島市のアスティとくしまで開かれた女性向け会員制クラブ「徳島新聞女性クラブ」のトークイベントで、女優の中村玉緒さん(79)が「女優として、妻として、女として」と題して講演した。夫の故勝新太郞さんとの思い出を振り返りながら夫婦愛や人との出会いの大切さを語った。 (尾野益大)
 
夫婦愛や出会いの
大切さを語る中村玉緒さん
=アスティとくしま

人との出会い大切



 父は歌舞伎俳優で人間国宝の二代目中村鴈治郎。父の影響もあり、子役で舞台に出るようになり、女優を目指した。松竹を経て大映に入った。
 勝との結婚は映画での共演がきっかけ。子どもが2人生まれた後、勝が映画製作会社を設立すると、平和だった生活が一変。勝は映画の質にこだわるあまり、製作費を湯水のように使った。そのため会社は倒産。多額の借金を抱えた。
 あほうな男と思ったけど憎めなかった。映画に打ち込んで失敗しただけで、私を裏切ったわけではない。十数億円の借金を返すため、2人でディナーショーを開いた。私は女優として復帰し、ホテルのクラブで踊ったり歌ったりした。
 勝は、私が母親から譲り受けた指輪だけは売らなかった。勝はそういう人。指輪は今でも大事にしている。
 クラブで働いていた時期に恩人と出会い、助けられた。テレビのバラエティー番組やテレビCMに出演するようになり、着物のデザインを任せられた。どれも成功した。
 お笑いタレントの明石家さんまさんのテレビ番組に出演させてもらった。
 さんまさんから最初にオファーがあったとき、おしとやかな性格で通すつもりだったが、乗せられて素顔を見せてしまった。その後ずっと天然キャラが受けることになった。さんまさんにも感謝している。
 人生って何があるか、分からない。お金には恵まれなかったが、人との出会いには恵まれた。お金は稼ぐことができるが、人との出会いはお金では買えない。
 生活がうまい具合に回り始めて間もなく、勝の体にがんが見つかった。心に衝撃が走ったが、運命だと受けとめた。
 勝と歩んだ壮絶な人生を振り返ると、純粋で不器用な夫婦だったと思う。しかし、素晴らしい結婚生活だった。夫婦で出演した最後の舞台やインタビューの映像がある。それを見て思った。「勝新太郎の妻でよかった」と。
 勝は心のきれいな人。仕事と夢を何よりも大切にした。私はそれをどこまでも信じて疑わず、守り抜いた。勝を外国の映画に出演させてあげられなかったことだけが残念でならない。
 人生は、くよくよせず生きることが大切。「今日の出来事は、今日限りで忘れる」。私は毎晩、頭の中を真っ白にして寝るようにしている。皆さんも、人との出会いを大切にして、悔いを残さず、くよくよせずに生きてください。