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終活についてユーモアを交えて語る 中尾彬さん(左)と池波志乃さん =徳島市のアスティとくしま (家段良匡撮影) |
コミュニケーション大切
―徳島の印象は。
池波 プライベートで徳島はよく来るんです。訪れると必ず新しい発見があって楽しみ。おいしい食べ物がたくさんありますね。スダチが大好きで、竹ちくわもおいしい。藍染は夫婦でお気に入りです。
中尾 鳴門線に乗って鳴門の旅を満喫した。乗り継ぎで立ち寄った池谷駅では2人だけで半時間以上も列車を待った。駅舎にツバメが巣を作っていて無人駅ののどかな雰囲気に癒やされた。三好市山城町の大歩危峡では雄大な渓谷美に圧倒された。澄んだ清流と飾り付けられた無数のこいのぼりの泳ぐ姿が印象に残る。食事は阿波牛がとてもおいしくて感激した。
―終活について。
中尾 10年前に大病を患ったのがきっかけ。体力のあるうちに、余分な物が多いので少しずつ片付けようと思った。不動産や家財からまず処分していこうと始めた。1万枚くらいの写真は処分した。写真は自分の心の中にあればいいと思う。若い時はどうしても手を広げすぎる。特に男は収集癖がある人が多い。遺言状みたいに少しずつ書き出して整理している。処分を迷ったら1カ月置いて使わないと捨てる。ねじねじのストールも400本あったのを半分の200本に減らした。
池波 私たちは子どもはいないし、いろいろと残して遺産整理で負担を掛けたくない。終活はまだ早いんじゃないのと言われたが、やってみたら体力がいる。昔と違って今は家を残したら負の遺産になるんです。何とかしないといけない。楽しく生きるために無駄な物を整理しています。もう一度、新婚生活のつもりで最後のやり直しです。
―夫婦円満のこつは。
池波 相手のことには口を出さないのがいい。せっかく2人しかいないのにけんかするのは嫌。衝突を回避しているだけ。相手の機嫌を考えて話すタイミングを計るんです。私は細かい性格でよく悩む。一方で主人は決断力がある。いい組み合わせなんです。
中尾 夫婦で全国を旅行している。プライベートで外食にもよく出掛ける。食事の際には会話を楽しむ。とにかくコミュニケーションが大切だ。
―食事などの健康法は。
中尾 病気をしてからたばこをやめたし、野菜を食べるようになった。食生活はよくなったと思う。塩分は1日6グラム以下。それで体重は随分減らした。
池波 健康のための食事制限は楽しみながらじゃないと続かない。たまに息抜きを作るのが大事です。運動は家事など日常生活の中で工夫してやっています。仕事を続けることがリハビリなんです。 (奥村靖之)